どうしてもどうしても一人暮らししたい

自分の家は比較的に裕福な家だ。

幼稚園の頃から私立に通い、小学生になれば塾に通う。

その後、私立の学校に通うと言えば、争うこともなく、進路は決定していた。

 

私は、小学生の頃から一人暮らしを夢見ていた。

自分のことは自分でする。そんな人をかっこいいと思い、本気で文集にも書いた。その夢の入り口は、大学生活だった。私のすることに初めて反対してきた家族の意見も押しのけて、一人で生活した。しかし、一人暮らしで自立というのは夢の夢だった。

食生活は、電子レンジでできるご飯と納豆。

洗濯物は溜まった時に気が向いたらする。

掃除を覚えるのに、4年かかった。

次第に、この生活を快適に覚え始めた。元々マイペースな私には性に合った。

 

メンタル面では、さみしいと思うことがあり、一人暮らしは向いていないのではないかと思った。実家暮らしで家族仲いい子の方がしっかりしているようだった。

大学でついていけなくなり、学校に通えなくなり、家族が迎えに来て、地元に連れ戻された。部屋も引き払った。

 

実家での生活が再び始まる。

言われた時に自分の身の回りのことを終わらせなければならない。

正直、だるい。普通の人はだるくてもこなしているのだが、私は私のペースでやりたくってしょうがない。

ここで、一人暮らしの快適さを思い出す。

 

時々気が向いたときに友達の家に泊まっているのだが、その生活が快適すぎる。泊まらせてもらっている分、掃除・洗濯・皿洗いをちょこちょこやっているのだが、文句ひとつ言わない。むしろ、すぐ気づいてくれてお礼さえ言われる。いやいや、泊まらせてもらっている身分ですから…と思いつつ。また、自分の課題している時は家事全般しなくても、「今課題で忙しいし、むしろやらなくても普段と変わらない」とさえ言ってくれる。友人は同姓なのだが、その友人と似た人を恋人にしたら私はうまくやっていけるのではないかと思いさえする。

家族に戻ってくるのを条件に友達の家に泊まっているが、帰る時がいやでしかたない。毒親というより甘やかしてくれる親だが、地元にいるのが、理由もなくいやだった。地元はそこまでの田舎というわけでもない。

そこで、地元に帰ると毎日一人暮らしした時のお金の計算をする毎日になった。

また、部屋を借りるには保証人が必要だ。保証人ではなく、保証会社を使うには定職につけばいいのか…?などととも考えた。(実際は知らないので、参考にはしないでいただきたい)

 

家族は、そこまでして一人暮らしをしたいのか、住む家があるだけありがたいことではないかと説得にかかる。時には、おいしい店に連れていき、「ここでは、毎日おいしい物食べさせてあげるよ」という。そうではないのだ。

米だけでも十分なのだ。着々に目標の地域に向かっているという実感があるのだ。

もっとも親の言い分としては、私のことがかわいくてしかたがないことと、私が学校から通えなくなった時の苦労はもうごめんだ、ということなんだろう。

 

地元に近づけば近づくほど、夢から遠ざかっているように感じる。私の住む場所はここではないとさえ思う。

 

今は親のおかげで生活できているものだ。感謝しなくてはならない。

そのために地元で生活すべきだと言い聞かせた。これを友人に伝えると、

「あなたは、感謝とやりたいことをするということをはき違えている。一緒ではない」

と言われた。そこで私はわがままと言われてもいいから、一人暮らししたいという自分を抑えることをやめたいという気持ちが芽生えた。

 

反対されるぐらいなら、こっそり一人で生活できるように計画たてるべきなのか。

なぜか実家にいると、無性に家を出たくてしかたない。唯一、私のことを無条件に味方になってくれるのに、それを切ってまで一人暮らしする価値はあるのか。お嬢さま育ちと言われてきた理由がわかるなって思う。

 

考えなしに家を飛び出て、また実家に連れ戻されることだけは避けたい。10年後、お金がなくて困っているというのだけは避けたい。

 

どうすればいいかわからない。自信喪失すぎて、自分で決められない。